痛みのタイプ

痛みの処方も、症状によって漢方はいろいろです。
*夜中や朝起きた時、じっとした後に痛む場合、舌の状態などから血流が悪いと思われる場合は、経絡を流し痛みをとる漢方。
*雨の前後や梅雨時、朝よりも夕方に痛む場合は、「湿」を取り関節のこわばりをとる漢方。
*冷えで悪化する時は、附子の入った温めて痛みをとる漢方。長く続いた痛みの場合は経絡全体を温める漢方を足したり、症状に合わせて考える必要があります。なかなか良くならない痛み、漢方で楽になって「痛みを忘れてる時が多くなりました」と言って頂けるとうれしいですね。

ばね指

ばね指になりました。( ;∀;) 年かなあ。
朝、右の中指が腫れて曲がったまま戻りにくく、戻る時はバネが外れる感じです。(なるほど「ばね指だなあ」と感心。)
指の付け根の腱鞘(腱が浮き上がらないようにするベルト)と腱との間が炎症を起こしている指の腱鞘炎のような症状だそうです。
朝が酷い整形の症状は、「血流の悪さ」からと考えます。
腫れがあるのは水の偏りと熱。
経絡の流れを良くして痛みを取る漢方と、炎症に効く漢方と貼り薬で、結局1か月弱かかりましたが治りました。(良くなると無理するので、利き手の症状は直りにくいですね。)
後で聞くと、同じ症状でステロイド注射治療を受けた知人もいました。手術の治療もありますが、漢方薬も一つの方法だと思います。
中高年の女性に多いようなので、気を付けて手を使いすぎないようにしてください。

ぎっくり腰の漢方薬

①急性の痛みに効く漢方②血流の悪さによる痛みの漢方薬③経絡の流れを良くして痛みを取る漢方3種類を5日から10日分で楽になる方が多いです。①は去杖湯とも言われていて良く使われる痛み止めです。

ぎっくり腰になるのはちょっとしたきっかけからですが、それは最後の引き金に過ぎなくて、それまでに溜まっていた体への無理が原因です。疲れをためない、血流を良くするためにワオーキングなどの運動を続ける、冷やさないなどの注意が必要です。

良くなってからも気を付けて、繰り返さないように過ごして頂ければと思います。

慢性の腰痛の漢方薬

 ぎっくり腰のように急性ではなくても、ずっと続く腰の痛みも原因は同じなので、血流の悪さからの痛みの漢方が基本です。

これは、「体中を流れる十二経絡(「気」「血」が流れる道路のようなもの)の流れを良くし」、「軟骨修復作用」のある生薬や、「直すための栄養」となる生薬、「鎮痛」の生薬などで構成されています。「朝起きた時が特に痛い」「同じ姿勢の後が痛い」などは血流の悪さから来ています。

 「忙しいときに痛くなる」「疲れると痛む」は「虚労」なので、疲れを取り直す力を高める漢方を併用します。

 慢性の痛みには、「五つの原因に対応する漢方」を併用することが多いです。

 

 また、筋肉が固くなって伸び縮みができなくなっているために、屈伸の負担が全て腰にかかってしまうことが原因と考えられるので、無理をしない範囲で、太ももの後ろの筋肉を柔らかくするストレッチもお勧めしています。このストレッチをその場でしてもらうと腰痛持ちの方は、やはり筋肉が固くなっていることがわかります。腰痛を繰り返さないために、ストレッチはとても大事なのではないかと思います。

赤く腫れて痛む時

 「赤い」のは患部で炎症が起こっているサインなので炎症を鎮める生薬と、水の滞りによる「腫れ」を引かせるために利水の生薬の配合漢方を使います。

 漢方の不思議な所は、「赤くて腫れている」症状の場合、皮膚症状でも関節などの症状でも、症状が起きている原因に対応するので、使う漢方は同じになることです。

 この場合も血流改善の漢方は、治りを早めるので併用することが多いです。

腎精を益す➡骨を強くする。

 腎精とは生きる力・エネルギー。腎は成長や生殖、老化を司ると言われいます。

 最強の補腎剤である鹿茸は、雄鹿の角化していない幼角のことで、髄を補い、血を養い、陽を益し、筋を強くします。骨粗鬆予防や足腰の痛みで続けられる方が多いです。

 (症例)Aさんは60代後半の女性。冬の終わりに足の付け根やひざの不調を訴えられ、歩き方も80代の人のようで、階段の上り下りに苦労されていました。鹿茸の漢方と血流を良くする漢方を続けるうちに、足の運びが楽になり、数か月後には普通の歩き方に戻り、今は再発予防にウオーキングを続けられるまでに快復しました。鹿茸は、骨を強くすると共に、軟骨修復作用もあると言われるので、総合して足腰が強くなられたのだと思います。

 骨は、適度な衝撃を受けることで強さを増すと言います。だから無理のない範囲で軽くジャンプするなどして、自分で骨を強くすることも大事だと思います。

 年を重ねたら、面倒がらずに自分のメンテナンスをこまめに続けたいものですね。

漢方薬局 ユクル    (YUCURU)

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