熱中症に速攻の漢方薬

たくさん汗をかいて、のどが渇いて、尿の出が悪い。頭痛や吐き気やめまいなどがする熱中症の時は、「水毒」に効く漢方薬をお勧めします。            熱中症は、体内に熱がこもって水のバランスが崩れている状態と考えます。    そのために、胃の中の水が過剰になり、上に上がろうとして吐き気が起こり、頭頂部の細胞の部分の水が過剰になって神経を圧迫するために頭痛がしたり、めまいがしたりします。                                 最近の研究で、この漢方薬が「アクアポリン」(細胞への水の取り込みを行う蛋白質)に作用することが分かってきたそうです。水分が過剰になっている部位から水を取り出し、不足している細胞には水を取り込ませる、細胞の状態に合わせてバランスを取り戻させる不思議な働き。これぞ漢方って感じのお薬です。         その働きを利用して、二日酔いに使われたり、水の偏りによるしびれや、気圧低下時頭痛や下痢にも使われています。                       成分である茯苓や白朮という生薬が、細胞や消化管などの過剰な水を血中に取り込み、猪苓などの生薬が尿にして出すように連携して働く、よく考えられた処方だと思います。                                  熱中症の心配があるとき、スポーツや外出時や農作業などの時に携帯してほしい漢方薬です。ご相談ください。

梅雨の過ごし方

湿気が多い日本、特に梅雨時や台風時には、体が重だるくなりがちですね。日本人は体に「湿」をためやすいので「水毒症状」=頭痛や頭重感、関節痛、胃の不調、むくみなどの症状が増えます。水の巡りを整えて、体の中の「湿」を追い出して、少しでも快適に過ごして頂ければと思います。            水の滞りによる「むくみ」に良いといわれるのが小豆です。含まれるカリウムとサポニンの利用効果で、むくみに良いといわれます。少し炒って煮出してお茶にしたり、軟らかく煮て食べたり。ほんのり甘いので、砂糖は入れずにそのままがお勧めです                               この時期にお勧めの処方                         *雨の時、低気圧の時の不調・・・半夏や白朮が入った処方          *冷房病、室内と外との温度差での不調など・・ソウジュツ、ブクリョウなど  *膝に水が溜まりやすい人の膝痛・・・ボウイやオウギなどの入った処方    *雨の日の痛み、夕方の痛み、腱鞘炎・・・マオウ、キョウニン、ヨクイニン。 *冷えで下痢が続く・・・ニンジン、カンキョウ、ブシなどの入った処方    *夏風邪、だるくて胃腸の調子が悪い・・・かっ正気散            *夏バテのように熱がこもり頭痛や吐き気がする・・・タクシャ、猪苓入り処方などなど。ご相談ください。                        若い方の中にはシャワーで済ます方も多いですが、「夏もお風呂は大事」です。 【お風呂の効能】                            水圧の作用で血流が良くなります。血流改善で水の循環もよくなるので、むくみ対策にも〇。                              体の芯まで温まるので内蔵の働きを高めます。               副交感神経を刺激するのでリラックス効果が大きいです。          1日頑張った体。「ご苦労様」の気持ちで、ゆったりしたバスタイムを心がけてくださいね。

気象病

雨や曇りの時などの不調「気象病」の方は多いですね(私も酷かったです)。これは、漢方では「脾・肺・腎」の不調と考えます。             ①脾は、水を作る所②肺は、水分の運行調整を行う所③腎は、水分の貯蔵と代謝を司る所です。                             気象病の方は「脾・肺・腎」を整える生薬を選びます。体中に滞っていた水が流れ出して、気持ちよくスッキリ尿が出て、体が軽くなり、頭痛や重だるさ、吐き気など、水による不調が楽になります。日本は湿気が多いので、水による不調が多いと言われます。「体を巡る水を整えるだけ」で良くなるなんて、人間の体は案外シンプルな面もあるのだと、そこも漢方の不思議さです。生薬の力を借りて、「水はけの良い、きれいな水が巡る体」に整え直えすことをお勧めします。半夏、ビャクジュツ、天麻などが入った処方がいいようです。

春に向けての漢方

立春を迎えたら、春に向けての養生が大事になります。東洋医学では、春は「肝」が司る季節。肝の働きをスムーズに保つために、「気」のめぐりが必要となります。寒い季節を終えた春は、生き物たちと同様に人間も芽吹くように活動的になり始めます。この時期に「肝」の働きが悪いと、季節に合わせて伸びていくことができずに、イライラしたり、落ち込んだり、不安になったりします。五月病などは、その状態をため込んだために起こると言われます。      【肝の不調のサイン】喉がつかえた感じや詰まる感じがする。寝つきが悪くなったり、夜中に何度も起きたりする。首や肩がこる             【肝を整える漢方】のどの症状、不眠や不安感、胸やわきのこり、ストレス、のぼせ、興奮、不眠、ストレスからくる様々な症状、イライラして周りにあたってしまうなど、それぞれ違う漢方での対応となります。           【肝のための食べ物】青いもの(緑のもの)。春菊や菜の花、セロリなど。春の野草の苦みは肝を整えるために、自然が用意してくれたものなので、ありがたく美味しく頂きたいものですね。

春は、漢方では「酸味と苦みを摂れ」と言います。それぞれ「肝」と「心」に働き、機能を高めます。                         「苦味」の成分はポリフェノールなど。体内の活性酸素を消して老化を防ぐ抗酸化作用があります。                          「酸味」は、肝臓や筋肉、眼の機能を高め、春に活発になった新陳代謝に対応できるように体を整えてくれます。                     苦みのある春野菜の天ぷらや酢味噌和えなど、昔の人は上手に工夫していたのですね。なのでお昼は、タコのパスタ。菜の花やアレッポ、ホウレンソウなどと炒めて出来上がり。簡単なのでお勧めです。季節の食材を取り入れても体調が整わない時は、お気軽にご相談くださいな。

本格的な夏到来ですね。熱中症対策は万全ですか?             熱中症の吐き気や頭痛は、汗で体内の水分やミネラルが奪われ、熱がこもった状態によるもの。なので、体の熱をとり、体内の水のバランスを整える二つの処方を合体させた漢方ドリンクがお勧めです。                「体内の水の偏りを正し、不要な場所に溜まって吐き気などを起こしている水を流し、乾いている必要なところに水を持っていく。」=「水の偏りを正す」と言う「器用な」働きができるのは漢方の不思議なところです。         熱中症の、予防にも治療にできる頼れる漢方ドリンク。           お墓参りやスポーツ観戦、夏のレジャーや畑仕事に強い味方です。

夏の終わりころ

毎日冷房をつけっぱなしにせざるを得なかった為の不調が増えています。
①免疫が下がり、帯状疱疹の後の後遺痛が続いていた方。
ニンジンとオウギとタイソウなどが入った免疫を上げる漢方。1週間ほどで「腕が上がるようになった」とのこと。
②冷房が原因で不調になっての過敏性腸症候群。いくつかの胃腸の漢方だけでは効かなくて、おなかを温める漢方と冷房原因の症状に効く漢方の併用で回復。疲れも取れて、肌も綺麗になられました。
③「冷房で冷えたせいかなあ」という、朝の手のこわばりの方。血流を良くする漢方で楽になるとのこと。リウマチに似たような症状に効く漢方も追加で様子をみていただいています。
④疲れと手術後のために口内炎を繰り返して痛々しかった方。クマザサエキス2.3日で改善して、その後も辛かった口内炎が起こらず喜ばれました。
夏は胃腸系が弱り、体に栄養・気力が送られずに不調を起こしやすい季節です。胃腸の疲れを早く上手にとって、気持ちのいい秋を迎えたいものですね。

夏の疲れのご相談が多いようです。他の症状で通われている方も、「疲れが取れない」「食欲がもどらない」「なかなか消化出来ない」などを訴えられます。漢方では「脾虚」として治療します。他の症状改善のためにも、基本である「脾虚」を直すことを優先します。この脾虚により、体に水を溜め込む「水毒」が起こり、秋は喘息が悪化する時でもあります。気管のむくみを取る漢方の出番です。上記の症状があった方は、来年は冷飲食を控え体力消耗を避けて、胃腸に負担をかけない夏の過ごし方を心がけてください。

冬は「腎(生命力・成長・生殖・老化を司る)の力」を蓄える時期と言われ、その年1年を健やかに過ごせる力を蓄える時期です。無理をせず、適度な食事運動の下に、長いスパンの視野で体を大切にする1年を始めてください。
「腎の力」を高める黒い食べ物である黒豆、わかめ、ヒジキ、黒ゴマ、黒砂糖、しいたけなどをしっかり摂ってください。

冬の養生

まず、「首・手首・足首とお腹」を温めましょう。
3つの「首」は皮膚が薄い所なので、この部位の冷えは骨から体の芯、内臓まで冷やしてしまうことに・・・。お腹はもちろん。温めないと内臓が働いてくれません。年齢と共に、腰の冷えの訴えも多くなるので、腰痛予防に腰も温めましょう。漢方では、「冷えと鬱」との関係も指摘されています。
「冷えくらい」と軽く見ないで、早め早めに上手に温めれば、未病のうちに治り、気分も穏やかになります。
それでも、風邪(ふうじゃ)や寒邪(かんじゃ)にやられたら、症状にあった早めの漢方がお勧めです。
・「妊婦さん」や「汗ばんでいるような人」「虚弱な人」用の漢方、
・高齢の方で、「背中がゾクゾクする風邪」の漢方、
・胃腸風邪、・喉痛だけ、・鼻だけ、
それぞれの成分の生薬が、得意分野で働いてくれるので、風邪でも、体質や病の時期で漢方は変わります。今、その時の症状を目標にするので、早くに効きます。大事にしてくださいね。

微熱の風邪の漢方

風邪の後期で熱がこもる感じで市販の解熱薬が効かない。食欲はないけど、食べたら食べられるという方。
 発熱と悪寒が交互にくる「寒熱往来」という症状もあれば、これは体の表と裏の中間部分で、病と闘って綱引きをしている状態。漢方の「和解法」で、柴胡・オウゴン・人参・半夏なとが入った漢方薬を服用して、5日で完治されました。
 他にも、口が苦かったり、めまいがしたり、胸や脇がつかえたり、食欲がなくなったりする症状がみられます。
同じ風邪でも、病がどこまで体に侵入しているかの「ステージ毎にそれぞれの漢方が用意されている」のも、漢方のすごいところです。

漢方薬局 ユクル    (YUCURU)

 三重県伊勢市辻久留町

   537-3

℡&fax 0596-67-7448

営業時間

10:00~18:00

休憩13:00~14:00

定休日:水曜日

    日曜日、休祝日

    第二土曜日

 

メール

kannpou.yucuru@gmail.com 

薬局日記 目次